「都市ガス」と「プロパンガス」の違いとは?日本で住むならどっち?
日本での新たな生活を楽しみにしている反面、外国人にとっては分かりにくいこともあるものです。
住まいに関していうと、「ガス」もその一つでしょう。
というのも、日本は住宅用のガスが2種類存在するからです。
そこで当記事では、「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類のガスについて、詳しく説明します。
2つのガスの違いから料金の比較、そしてガスを使い始めるためのプロセスまで、ガスに関する情報を徹底網羅。
日本での新たな生活を不安なく始められるよう、ぜひ参考になさってください。
1.都市ガスとプロパンガスの違い
ではまず始めに、都市ガスとプロパンガス(LPガス)の違いをおさえておきましょう。
供給方法
都市ガスとプロパンガスの一番大きな違いは、供給方法です。
- 都市ガス:地下を通るガス管(パイプライン)を通して各家庭に供給される
- プロパンガス:各家庭に設置されたガスボンベがガスを供給する
都市ガスの供給方法は、水道と同じような仕組みです。地下に埋設されたパイプラインを通して各家庭にガスが提供されます。
一方のプロパンガスは、上の画像のようなガスボンベをガス会社が設置し、そのボンベからガスが供給されます。ガスが空になると、ガス会社が新しいボンベに交換します。
供給エリア
都市ガスとプロパンガスの供給方法の違いは、そのまま供給エリアの違いにも直結します。
- 都市ガス:都会や人口密集地が中心
- プロパンガス:全国どこでも
都市ガスを利用するにはパイプラインが必要ですから、どうしてもインフラが整っている都市部が中心となります。
一方のプロパンガスはガスボンベを設置すればいいので、地方や山奥など、基本的にはどこでも供給可能です。
原料と熱量
都市ガスとプロパンガスでは、原料も異なります。
- 都市ガス:天然ガス
- プロパンガス:液化石油ガス(LPガス)
都市ガスの原料である天然ガスはメタンが主成分で、クリーンなエネルギーとしても知られています。
一方のプロパンガスの原料はプロパンやブタンなどを主成分とし、圧力をかけることで液体になっています。
ガスの原料の違いは、熱量にも直結します。
一般的に、プロパンガスの方が都市ガスよりも2倍の熱量を持つとされています。これはつまり、同じ量のガスでもプロパンガスの方がより高い熱量を得られるということを意味します。
注意点:使える機器の違い
都市ガスとプロパンガスでは原料と熱量も異なるため、専用のガスコンロや給湯器を用意しなければなりません。
そのため日本で新しい住まいに移る際にはその物件のガスの種類を確認し、それに合った機器を用意する必要があります。
部品の交換で対応できることもありますが、無理に使うと火事やガス漏れといった重大な事故につながる可能性があります。必ず専門業者に相談してください。
料金
ここまで都市ガスとプロパンガスの違いを見てきましたが、実は一番の大きな違いが料金です。
- 都市ガス:公共料金として価格規制がある
- プロパンガス:自由料金
都市ガスは電気や水道と同じ公共インフラと見なされ、料金設定には国の許可が必要です。
一方のプロパンガスの料金は自由設定であるため、各ガス会社によっても料金が異なります。そして自由料金であるゆえに、プロパンガスのほうが都市ガスよりも高いのが一般的です。
2.都市ガスとプロパンガスの料金比較
では具体的に、都市ガスとプロパンガスとではどのくらい料金が異なるのでしょうか?
ここでは次のようなモデルケースで、都市ガスとプロパンガスの料金を比較してみました。
【モデルケース】
一人暮らし。風呂、シャワー、洗い物、簡単な料理で、一か月約10m³の都市ガスを利用する。
【料金比較表(目安)】
| 都市ガス(東京ガス) | プロパンガス(全国平均) | |
| 基本料金 | 約759円 | 約2,000円 |
| 従量単価 | 約145円/m³ | 約700円/m³ |
| 使用量 | 10m³ | 5m³ |
| 従量料金 | 1,450円 | 3,500円 |
| 合計月額料金 | 約2,209円 | 約5,500円 |
このように、単純計算でプロパンガスは都市ガスよりも2倍以上、料金が高いことになります。
プロパンガスの使用料が半分なのは、熱量に2倍の差があるからです。
ただしこれはあくまでも目安です。というのもプロパンガスは地域やガス会社による料金の差が大きく、従量単価は400〜800円/m³と幅があるからです。
とはいえやはり、平均的に見ると都市ガスとプロパンガスとでは毎月の料金が大きく異なるという事実に変わりはありません。
3.都市ガスかプロパンガスかを見分ける方法
都市ガスとプロパンガスとでは料金に大きな違いがあるため、可能ならば都市ガスの物件を選びたいところ。
では、どのようにそれを確かめたら良いのでしょうか?
サイト上で確認する
いちばん簡単なのが、不動産ポータルサイト上で確認することです。
例えば、外国人向けの不動産ポータルサイトであるMooovinの場合、「室内設備」の項目で都市ガスかプロパンガスにチェックを入れて、条件検索が可能です。
住みたいエリアに都市ガスのパイプラインが設置されている場合は、都市ガスタイプの物件から自分の気に入る部屋を探すことができるでしょう。
担当者に確認する
不動産ポータルサイト上に都市ガスかプロパンガスかの項目がない場合には、担当者に直接聞くのが確実です。
サイトからでも問い合わせフォームやメールなどで質問できることが多いため、まずは問い合わせてみると良いでしょう。
どちらにしても、入居後にガスを変更するのは現実的ではないため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
4.都市ガスとプロパンガスのメリット・デメリット
都市ガス、プロパンガスどちらの物件に住むことになったとしても、それぞれのメリットとデメリットを知っておけば、それだけ賢く生活できるでしょう。
都市ガスのメリット・デメリット
- メリット:価格が安い。供給が安定している。
- デメリット:利用できないエリアがある。熱量がプロパンガスよりも低い。
都市ガスの一番のメリットは、やはりその料金の安さです。またプロパンガスと違ってボンベ切れや交換のための配達待ちを心配する必要もありません。
一方で熱量がプロパンガスよりも低いため、暖房が効き始めるのに時間がかかるといったこともありえます。
プロパンガスのメリット・デメリット
- メリット:全国どこでも利用できる。熱量が高いため、調理にも有利。
- デメリット:料金が高い。ボンベ交換の手間がかかる
プロパンガスは熱量が高いため、対応するガスコンロは一般的に火力も強く設定されています。料理好きな人にとっては大きな魅力でしょう。
しかし一方で、料金の高さは大きなデメリットです。ガス会社によっても料金が異なるため、可能であれば利用するガス会社を比較検討してみると良いでしょう。
5.ガス会社の契約と開栓手続きの流れ
最後に、入居時のガス会社の契約と開栓までの流れを見ていきます。
都市ガスの場合:地域のガス会社に連絡
都市ガスの場合、住む地域によってガス会社が決まっています。例えば、東京なら「東京ガス」、大阪なら「大阪ガス」といったように、地域の主要なガス会社に連絡して手続きを進めてください。
- 契約申し込み:引越し日が決まったら、最寄りの都市ガス会社に電話またはウェブサイトから利用開始の申し込みを行います。
- 必要情報の準備:入居予定日、住所、氏名、連絡先、ガスメーター番号(わかれば)を伝えます。
- 開栓日時の調整:ガス会社から技術スタッフの訪問日時候補が提示されるので、自宅に立ち会える日時を調整します。
- 開栓立会い:当日はスタッフがガスメーター周りの点検・開栓作業を実施。安全確認後、ガスが使えるようになります。
- 請求開始:開栓日からガス使用量に応じた料金が発生します。
プロパンガスの場合:指定されたガス会社に連絡
プロパンガスの場合は大抵、大家さんの意向によって利用できるガス会社が指定されています。そのガス会社に連絡して手続きを進めてください。
- 契約先の確認:賃貸契約書や大家または管理会社から、指定されたプロパンガス販売業者の名称と連絡先を確認します。
- 利用開始の申し込み:指定業者に電話で引越し日と住所、氏名を伝えて申し込み。
- ボンベ設置の調整:ボンベ設置日を業者と調整します。容器の設置スペースを事前に確保しておきましょう。
- 開栓立会い:スタッフ立ち会いのもと、ボンベ接続と漏えい検査を実施します。安全確認後にガスが利用可能になります。
- 請求方法:使用量計測はメーターまたは配送本数で行われ、月末締めで請求されます。
開栓(使い始め)には立ち会いが必要なので注意
都市ガスにしてもプロパンガスにしても、使用する際にはスタッフが訪問して開栓作業を行います。居住者(または代理人)も立ち会いが必須ですので、都合の良い時間を指定してください。
来日前に契約を済ませた場合やどうしても都合が合わない場合など、大家や管理会社が立ち会ってくれる場合もあります。必ず事前に確認しましょう。
6.まとめ:ガスを賢く利用して日本での生活を快適に!
最後に都市ガスとプロパンガスの違いを振り返り、それぞれどんな人におすすめかを見ていきましょう。
【都市ガスとプロパンガスの違い】
| 都市ガス | プロパンガス | |
| 供給方法 | パイプライン | ガスボンベ |
| 供給エリア | 都市部中心 | 全国どこでも |
| 原料 | 天然ガス | 液化石油ガス(LPガス) |
| 熱量 | プロパンガスの約1/2 | 都市ガスの約2倍 |
| 料金 | 安い(公共料金) | 高い(自由料金) |
| ガス機器 | 専用機器 | |
どちらを選ぶべき?
✅都市ガスがおすすめな人
- 毎月のガス代を安く抑えたい人
- 都市部や人口の多い地域に住む人
✅プロパンガスがおすすめな人
- 地方や郊外に住む人
- 料理が好きで、強い火力を求める人
日本で住まいを探す際は、光熱費やライフスタイルに大きく関わるガスの種類を事前に確認することが大切です。不動産情報サイトで確認したり担当者に直接問い合わせるなどして 、自分に合った物件を選ぶようにしましょう。