外国人向け】日本で知っておくべき「家賃補助制度」徹底ガイド

公開: 2026/04/26
更新: 2026/06/14
内見案内をする外国人女性

日本の賃貸住宅を探している外国人、またすでに日本で生活している外国人にぜひ知ってもらいたいのが、「家賃補助制度」です。

なぜなら家賃補助制度を活用すれば、毎月の家賃支払額を抑えられる可能性があるからです。

当記事では、外国人でも利用できる日本の家賃補助制度について、分かりやすく解説します。

1.日本の家賃補助制度とは?住宅手当との違いも解説

内見中の外国人夫婦

家賃補助制度とは、賃貸住宅に住む人の家賃(または一時費用)の一部を、国や自治体、企業などが負担する制度の総称です。

家賃補助制度はどの組織が実施しているのか、誰が対象なのかなどによって中身も大きく変わってきます。しかし家賃補助制度について、まずは以下の点を覚えておいてください。

  • 住宅手当と家賃補助の違い:住宅手当は主に企業が従業員の生活負担を軽減するために支給する福利厚生です。一方で家賃補助は国や自治体、学校、NPOなどが生活支援の目的で、対象者に家賃の一部を補助したり、住宅を支給する制度のことです。
  • 補助と給付の違い:「補助」は、家賃や学費など実際に使ったお金の一部を支援してもらう制度です。一方「給付」は、生活状況や条件を満たせば支出の有無に関係なくお金やサービスを受け取れる制度です。

2.外国人が利用できる家賃補助制度と申請方法【国・自治体・会社・留学生】

マンションの模型とビジネスマン

では具体的に、外国人でも利用できる家賃補助制度と、申請方法について見ていきましょう。

国による支援制度

国による家賃補助制度として、代表的なものが「住宅確保給付金」です。

住宅確保給付金は、失業や収入減少などにより住居を失う恐れがある人を支援するための、公的な給付制度です。

支給対象者

  • 離職や廃業などにより収入が減少し、住居を失う恐れがある人
  • 就職活動を行っているが、一定の要件を満たす場合
  • 生活保護を受けていない人

ポイント

  • 国籍は原則として関係なく、収入要件・資産要件・求職活動等の要件を満たせば外国人も対象になり得ます。
  • 在留資格や在留期間、学生か就労者かなどによって実務上の判断が変わることがあります。詳細については、お住いの自治体の窓口で確認してください。
  • 実際の申請受付や支給業務も各自治体が行い、支給額も住居の種類や地域によって異なります。

申請方法

  1. 要件などの詳細情報を、各自治体の窓口またはウェブサイトで確認する。
  2. 必要書類を揃えて、自治体窓口へ提出する。
  3. 審査がおりれば、規定の額が支給される。

※参考:厚生労働省生活支援特設ウェブサイト | 住居確保給付金:制度概要

自治体の家賃補助・住居支援

国による住宅確保給付金とは別に、各自治体が独自に家賃補助制度を設けている場合があります。

例えば低所得者向けの家賃補助、失業等で一時的に家賃が払えない人向けの「住居確保給付金」、子育て世帯や移住者向けの定住支援などです。

また最近では、多くの地方自治体が移住者に向けた住まい支援として、家賃補助や引越費用の補助などを導入しています。そしてこの場合の支援には収入減などではなく、移住すること自体が要件となります。

条件を満たせば、外国人も対象となり得ます。

ポイント

  • 外国人が対象の場合でも、在留期間の長さなどが考慮される場合があります。
  • 対象となる条件や給付額も自治体によって異なります。お住まいの自治体の窓口またはウェブサイトで確認してください。
  • 一部の自治体は多言語窓口を設け、外国人対応の相談窓口や登録家賃保証会社を案内しています。

申請方法

  1. 各自治体の窓口またはウェブサイトで、家賃補助や住居支援制度があるかを確認する。
  2. 窓口で必要書類を受け取る。
  3. 書類提出後、審査がおりれば規定額の支給または支援が受けられる

会社の住宅手当

おそらく、外国人が利用できる可能性が一番高いのが、勤めている会社が用意する住宅手当でしょう。

住宅手当とは、従業員が居住するための費用を補助する目的で、主に雇用者から支給される手当のことです。

国や自治体による家賃補助制度とは異なり、収入減少や失業といった要件は必要ありません。会社の規定に応じて支給されます。

ポイント

  • 外国人従業員でも、会社の規定に応じて支給される。
  • 支給額や支給条件は会社によって異なる。
  • 支給された住宅手当は、給与の一部として課税対象になる場合があります。会社に確認してください。

申請方法

  1. 入社時または配属時に会社(人事)に住宅手当の有無や支給額、必要書類などを確認する。
  2. 必要書類を揃えて、会社に提出する。
  3. 支給が承認されれば、給与と一緒に住宅手当が振り込まれる。

留学生向け支援制度

大学などが留学生向けに借り上げ宿舎を供給したり、入居にかかる費用の一部を援助する制度があります。

代表的なのが、JASSO(日本学生支援機構)が実施する「留学生借り上げ宿舎支援事業」です。これは学生寮が足りない学校でも、留学生が住む場所を確保できるようにするのが目的です。

対象者

  • 学習奨励費をもらっている留学生
  • 協定で来日した留学生
  • ホームステイをする留学生など

ポイント

  • 留学生なら誰でも対象になるわけではなく、学業成績や収入要件などの条件がある場合がある。

申請方法

  1. 学校の国際交流窓口、学生支援窓口などに問い合わせ、利用できる支援制度があるか確認する。
  2. 必要書類を揃えて、学校に提出する。
  3. 必要に応じて面談や審査が行われる。
  4. 支給が決定されれば、契約手続きに従う。

NPO・民間のサポート

住まい相談や短期宿泊支援、入居契約のサポート、外国人対応の家賃保証会社紹介など、様々な支援制度が存在します。

日本語が苦手な場合の窓口や、保証会社と連携した支援を提供する団体があるため、まずは出入国在留管理庁の生活支援ポータル等で情報を収集してください。

ポイント

  • 特に外国人に向けた制度が存在する。
  • 家賃を補助するというよりも、相談窓口が中心。
  • 国や自治体が提供している家賃補助制度などについて教えてもらえる。

※参考:外国人生活支援ポータルサイト「住居」 | 出入国在留管理庁

特定優良賃貸住宅(特優賃)

特定優良賃貸住宅とは、中堅所得者向けに、質の高い賃貸住宅を一般の相場よりも安く提供する制度です。

家賃を補助するのではなく、民間の事業者が建てた良質な賃貸住宅を、自治体が「特定優良賃貸住宅」として認定し、入居者は割安な家賃で住むことができます。

対象者

  • 一定の所得がある世帯(低所得者向けの公営住宅と異なり、中堅所得層が対象のため)
  • 外国人も対象
  • 自治体によって「世帯」「年齢」「収入基準」などが定められている

ポイント

  • 中堅世帯が対象のため、世帯収入が高すぎても低すぎても対象外になることが多い。
  • 外国人も対象だが、在留期間が要件になることがある。
  • 連帯保証人が日本国内に必要なケースが多い。

申請方法

  1. 市区町村の公式ウェブサイトや広報紙で募集情報を確認する。
  2. 必要書類を揃えて、自治体の窓口に提出する。
  3. 応募者多数の場合は、選考・抽選が行われる。
  4. 選考に通れば、賃貸契約を結ぶ。

3.外国人が家賃補助を受ける条件|在留資格・収入・書類

説明をする不動産会社スタッフ

外国人が家賃補助制度を利用する場合に、特に注意すべきポイントは以下の通りです。

在留資格、在留期間、就労状況

在留カードの有効期間、就労可否(資格外活動の可否)などで受給可否が左右される場合があります。

短期滞在や観光ビザではほとんどの補助を受けられません。自治体や支援機関に「外国人でも申請できるか」を事前に確認してください。

収入、世帯構、居住地の要件

多くの制度では世帯収入が基準額以下であること、市内在住や住民登録が必要であることなどの要件があります。

例えば国の「住居確保給付金」には収入基準や就労状況の基準が明確に定められています。

提出書類

在留カード、パスポートコピー、収入証明(給与明細・課税証明等)、雇用契約書(就労者の場合)、賃貸借契約書、住民票などが一般的です。

4.モデルケース : 外国人が受けた家賃補助の例

グッドサインをする男性

では、実際にどのような状況で外国人が家賃補助制度を利用できるのか?いくつかの例を見てみましょう。

企業による住宅手当・借り上げ社宅を提供したケース

大手メーカーで採用された外国人エンジニアには、毎月3万円の住宅手当が支給されています。実際の家賃は7万円だったため、本人の自己負担は4万円で済み、生活費に余裕を持つことができました。住宅手

当は外国人従業員にとっても安心して生活基盤を整えるための大きな支えとなっています。

またIT企業で採用された別の外国人エンジニアには、会社の借り上げ社宅が提供されました。家賃8万円のうち、従業員本人が負担するのは2万円のみで、残りは会社の負担となります。借り上げ社宅は外国人が直面しやすい「保証人探し」や「契約手続きのハードル」を大幅に下げるメリットがあるため、積極的に活用したい制度です。

自治体の家賃補助を受けたケース

失業により収入が大幅に減少した外国人の世帯が「住居確保給付金」を申請、1か月後に支給が開始されました。

支給は原則3ヶ月で、延長申請でさらに9ヶ月まで支給されるので、その間に生活の立て直しが求められます。具体的には、就職活動や家計改善の計画の提出などが必要となります。

学生向け支援を活用した留学生の例

大学が留学生向けに借り上げ宿舎を用意し、契約費用の一部をJASSOが支援しました。留学生は低コストで入居できましたが、年度ごとに募集条件が異なるため、学校窓口で情報取得が必須となります。

5.よくある質問

Q&Aのブロック

在留資格が短くても申請できる?

A:ほとんどの制度では、一定の在留期間が求められます。観光ビザなどの短期滞在ビザは制度の対象外です。

家賃補助はいつからいつまで支給される?

A:制度によります。たとえば「住居確保給付金」は原則3か月、延長で最大9か月といった上限が設けられています。自治体や制度ごとの期間を必ず確認しましょう。

補助が打ち切られるケースは?

A:支給の条件となる要件から外れた場合は、補助が打ち切られます。例えば収入が増えた、就労状況が変わった、虚偽の申告があったなどです。制度の多くは、受給中の報告義務が定められています。

外国人でも住宅手当はもらえる?

A:住宅手当は要件を満たせば、外国人社員も対象となります。外国人だからといって対象から外れることはありません。

生活保護と家賃補助の違いは?

A:生活保護と家賃補助とはその目的や対象、支給範囲などに違いがあります。

項目生活保護家賃補助
目的生活全般を維持するための最低限の保障住宅費の負担を軽減し、生活安定を支援
対象者収入・資産が一定以下で生活が困難な人(外国人も一部条件付きで対象)会社員や公務員、失業者、留学生など(制度により対象が異なる)
支給範囲食費・光熱費・家賃・医療費など、生活全体を支援家賃のみ(住宅確保給付金は失業や困窮者向け、住宅手当は勤務者向け)
申請方法市区町村の福祉事務所で申請自治体窓口、勤務先、学校経由など、制度による
返済義務基本的に返済不要基本的に返済不要(奨学金型の支援は返済あり)
条件資産・収入調査あり、就労義務・扶養義務の調査あり勤務先や在学状況、収入条件など、制度により異なる

外国人でも条件を満たせば生活保護の対象になります。ただし、その条件は非常に厳格です。

申請してから補助が出るまでどれくらいかかる?

A:制度によって異なります。例えば、国の住宅確保給付金では、申請から支給開始まで約2週間程度かかります。会社の住宅手当の場合は、給与支給サイクルに応じて、申請が通った月の翌月の給与と一緒に支給されることが一般的です。申請内容や書類に不備がある場合は、さらに時間がかかることがあります。

執筆
Mooovin編集部
執筆
Mooovin編集部
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