保証人がいなくても大丈夫?外国人向け日本の賃貸物件保証完全ガイド
日本で賃貸物件を契約するときには、「保証人」が必要なことがほとんどです。
この制度は日本特有のもので、海外ではあまり見られません。そのため、特に日本で部屋を借りようとする外国人にとっては分からないことも多いでしょう。
そこで本記事では日本に住む外国人向けに、保証人制度の基本的な点から、保証人がいなくても賃貸物件を契約する方法や注意点について解説します。
日本での賃貸契約を成功させるためにも、ぜひ参考になさってください。
1.日本の賃貸契約における保証人制度とは?
保証人とは、部屋の借主が家賃や設備の修繕費などを支払えなくなったときに、代わりに支払う責任を持つ人のことです。
貸主(大家)は家賃未払いなどのリスクを避けるため、契約時に借主に保証人の用意を求めることが一般的です。
保証人の主な条件
誰でも日本の賃貸物件の保証人になれるわけではありません。
保証人には、次のような条件が求められます。
- 日本に住んでいること
- 家族または親族であること
- 安定した収入があること
こうした点に加えて、保証人自身が家賃の滞納がないか、高額の借金がないかなどの「信用力(FICOスコア)」が審査されることもあります。
保証人は借主に代わって滞納した家賃などを支払う責任を負うため、借主との関係性や経済力が重視されます。
保証人と連帯保証人の違い
日本の賃貸物件における保証人には、「保証人」と「連帯保証人」の2つの種類があり、それぞれ負う責任の範囲が異なります。
| 項目 | 保証人 | 連帯保証人 |
| 責任の範囲 | 滞納した家賃分の支払いのみ | 滞納した家賃の他、原状回復や騒音トラブルについても責任を持つ |
| 貸主からの請求 | まず借主に請求(直接請求不可) | 直接請求可能 (借主を飛ばして請求できる) |
| 責任の重さ | 比較的軽い | 借主と同等の責任を負う |
保証人と連帯保証人のどちらが必要かは、契約内容によります。また保証人と連帯保証人の両方が必要な場合もあります。
連帯保証人には単なる保証人よりも重い責任を負うため、2020年に民法の一部が改正され、連帯保証人の責任範囲が明確化されました。
新しくなった法律では、保証する金額の極度額を設けること、極度額についての内容を契約書に記すことが求められています。この改正によって、連帯保証人の依頼がしやすくなりました。
2.外国人が直面する保証人問題
日本の賃貸物件の契約には、保証人が必要です。しかし外国人には以下のような問題に直面することがあります。
- 家族や親族が日本に住んでいない
- 日本人の保証人を見つけるのが難しい
- 連帯保証人の責任が重すぎる
- 言語の壁
また、たとえ家族や親族が日本に住んでいても、収入が不安定だったり、貸主の方針で外国人が保証人になれない場合もあります。
3.連帯保証人不要で外国人が賃貸契約をする方法
では、外国人が日本で賃貸物件を契約するにはどうしたらよいでしょうか?
連帯保証人なしで契約する方法を紹介します。
1.連帯保証人紹介制度
高齢者や外国人世帯など、住宅確保が難しい人たちに対して連帯保証人を紹介する制度があります。
例えば「一般財団法人 高齢者住宅財団」では、在留カードもしくは特別永住者証明書を持つ外国人世帯に向けて、保証人の役割を引き受けています。
ただし契約できるのは、高齢者住宅財団と提携している賃貸住宅に限られます。そのため、自分の住みたい地域や物件に自由に入居できるわけではありません。
2.連帯保証人が不要の物件
外国人向けの賃貸物件を扱っている不動産会社では、連帯保証人不要の物件も提供されています。
例えばMooovinでは、全ての利用者に外国人向け保証会社のサービスを提供しています。審査に通過した場合は、保証人不要で入居可能です。
ただし保証人不要とはいっても、不動産会社が提供する保証サービスを利用することになります。料金は物件によって異なり、入居時に月額賃貸料の100%、その後も月間保証料が必要な場合もあります。
とはいえ、その不動産会社が取り扱う物件は全て保証人不要で契約可能ですので、自分の住みたいエリアの、自分好みの部屋を探すことができるでしょう。
3.連帯保証人代行サービス
連帯保証人を用意できない人向けに保証サービスを提供するのが、連帯保証人代行サービスです。
多くの場合、賃貸物件を管理している管理会社や不動産会社が保証人の役割を代行します。そのため、保証人代行サービスを利用したい場合は、その旨を不動産会社に伝えてください。
ただし全ての物件に対して、このサービスを利用できるわけではありません。
また保証人代行サービスを利用するにも、コストが発生します。会社によっても異なりますが、家賃の50%~100%が相場となっています。
4.家賃保証会社
保証会社は、連帯保証人の代行を専門に引き受ける企業です。
借主が一定額の委託費用を保証会社に支払うことによって、貸主に家賃滞納時の保証を提供します。
不動産会社とは別の会社が保証を引き受けるため、利用者は自由に物件を探せることが保証人代行サービスとの大きな違いです。
| 提供会社 | 利用できる物件 | |
| 保証人代行サービス | 管理会社・不動産会社 | その管理会社または不動産会社が提供している物件 |
| 保証会社 | 専門の業者・企業 | 基本的に、ほとんど全ての物件で利用可能 |
委託費用は、保証人代行サービスと同じく家賃の50%~100%が相場となっています。
外国人向けにサービスを提供している会社も増えているため、保証人代行サービスを利用できない場合は、保証会社を検討するとよいでしょう。
5.外国人OKの借り上げ社宅
企業が個人に代わって物件を契約し、従業員に住む場所を提供するのが借り上げ社宅です。
外国人を多く雇っている企業では、借り上げ社宅を積極的に活用しているケースが多いようです。
保証人不要で入居できるだけでなく、部屋探しや契約の手間も省けるので、特に日本に慣れていない外国人には便利な制度でしょう。
ただし当然のこととして、その企業で働く人しか入居できません。
これから就職先を探すという人は、外国人OKの借り上げ社宅があるかどうかも確認するとよいでしょう。
4.日本の賃貸物件で保証会社を利用する方法
より多くの賃貸物件で利用でき、外国人でも使いやすいのが保証会社です。
日本の賃貸契約で保証会社を利用するためには、必要書類を提出して審査を受ける必要があります(必要書類は会社によって異なります)。
保証会社は不動産会社が紹介してくれるほか、自分で探して契約することも可能です。
特に外国人の場合は、自分が安心して利用できる保証会社を選ぶことが大切です。
保証会社とは何か
保証会社は、連帯保証人の役割を代行する専門の企業のことです。
借主は不動産会社とは別に保証会社と契約することによって、より多くの物件の中から自分好みの部屋を見つけることができます。
保証会社選びのポイント
日本の賃貸物件の契約のために保証会社を選ぶときには、次のような点に注意なさってください。
- 外国人向けのサービスを提供している会社か:そもそも外国人の利用を想定していない保証会社も存在します。外国人向けのサービスを提供している会社なら、契約内容や問い合わせにも外国語で対応してくれますし、貸主も安心して部屋を貸してくれるでしょう。
- 対応言語:英語はもちろん、中国語やベトナム語、韓国語などのアジア圏の言語に対応している保証会社も多くあります。なるべく自分の言語に対応している会社を選ぶとよいでしょう。
- 審査が厳しすぎないか:収入、就職先、在留資格などの審査があるため、審査が厳しすぎない会社を選ぶと安心です。
- 費用:費用相場は家賃の50%~100%です。その範囲内で利用できる会社がオススメです。
- サポート体制:万が一の家賃滞納時の保証以外に、トラブル時の対応や日本での生活の悩みへの相談など、独自のサービスを提供している保証会社もあります。日本で安心して生活するために、そうしたサービスにも注目してください。
5.家賃保証会社の利用における注意点
保証会社を利用する際の注意点は、以下の通りです。
1.審査に通過しなければ利用できない
保証会社を利用するには、必要書類を提出して審査を受けなければなりません。
この審査が通らないと、保証会社を利用できません。
外国人が利用する際には、やはり外国人向けのサービスを提供している保証会社の方が審査も通りやすいでしょう。
2.保証料がかかるため選び方によっては負担が増える
保証会社を利用するには、最初に支払う保証料(家賃の50%~100%)のほか、入居後に支払う月額保証料(家賃の1%~2%)、そして1~2年後に支払う更新料(1万円前後)が必要な場合もあります。
保証会社によって条件が異なるため、事前にしっかり確認しましょう。
3.家賃を滞納すると大きなトラブルになる
保証会社は家賃の滞納時に、代わりに貸主に家賃を支払います。しかしそれは借主の支払い責任がなくなったというわけではありません。保証会社は支払った金額を、借主に請求します。
保証会社への返済を怠ると、契約書に基づいて法的な措置が取られます。最終的には給与や財産の差し押さえにまで発展することもあるため、家賃は毎月必ず決められた期日までに支払いましょう。
4.家賃保証会社の破産や倒産リスク
万が一、保証会社が破産や倒産してしまった場合、利用者にも影響が及びます。
具体的には保証会社との契約が消滅するため、借主は「無保証」になってしまいます。
そのため代わりの連帯保証人を自分で探すか、新たな保証会社と契約しなければなりません。
その際には改めて契約料を支払う必要があるため、あらかじめ信頼できる保証会社と契約するのが大切です。
6.保証人不要で賃貸契約をするなら借り上げ社宅がおすすめ
借り上げ住宅は、保証人不要で入居できます。
そのため就職先の会社が借り上げ住宅を所有しているなら、優先的に検討なさってください。
さらに借り上げ社宅には、以下のようなメリットも存在します。
メリット1:入居先を探す手間が省ける
慣れない日本での生活で、新たな住まいを探すのは時間も手間もかかります。
借り上げ住宅ならば、自分で物件を探す必要もありません。
また借り上げ住宅は職場から近いことも多いため、生活するにも便利でしょう。
メリット2:安心して入居できる
借り上げ住宅は会社がすでに契約しているため、不動産との交渉や契約も必要ありません。
最低限の家具や家電製品も揃っていることが多いため、身の回りの物だけ持って入居することも可能です。
また入居後のサポートも会社から受けられるため、安心して生活できるはずです。
メリット3:節税が見込める
借り上げ住宅は会社だけではなく、入居者にも節税効果が見込めます。
なぜなら家賃は給与から差し引かれるために所得が減り、結果として所得税も下がることが期待できるからです。
家賃自体も一般の賃貸物件よりも安いことが多いため、金銭的なメリットが大きいのです。