外国人のための日本の賃貸ガイド「鍵交換費用」の完全ガイド

公開: 2026/04/23
更新: 2026/04/29
鍵穴にディンプルキーを挿す様子

外国人が初めて日本で賃貸契約を結ぶ時に驚くのが、初期費用の高さです。

「敷金」や「礼金」など、前家賃以外に支払わなくてはならない項目が多く、しかもその金額も決して安くはないため、困惑するかもしれません。

「鍵交換費用」も、初期費用に含まれることのある項目の1つです。

当記事では日本で賃貸住宅を探している外国人向けに、「鍵交換費用」とは何か、料金の相場、支払う理由、そして関連するトラブルを避けるためのポイントなどを、分かりやすく解説します。

1.そもそも「鍵交換費用」とは?

鍵交換の様子

「鍵交換費用」とは、あなたが入居する前に、アパートやマンションの玄関の鍵を新しいものに交換するためにかかる費用のことです。

具体的には、鍵のシリンダーごと新しいものに取り替えます。これにより、あなたは完全に新しい鍵を受け取ることができます。

これは、日本の賃貸物件に入居する際の初期費用の一部として、多くの不動産会社や大家さんが請求する一般的な費用です。

つまり、「鍵交換費用」は入居者が負担する初期費用の1つです。

でもなぜ、鍵の交換が必要なのでしょうか?

鍵交換が必要な理由:防犯上のリスク

その最大の理由は、「防犯上のリスクをなくし、あなたの安全を守るため」です。

あなたの前には、その部屋に別の人が住んでいました。もし鍵を交換しないと、次のようなリスクが考えられます。

  • 前の住人が合鍵を持っている可能性がある。
  • 前の住人が、友人や家族、恋人などに合鍵を渡しているかもしれない。
  • 万が一、前の住人が悪意を持っていた場合、不法に侵入される危険性がある。

こうしたリスクを完全になくし、新しい入居者であるあなたが安心して生活を始められるように、入居前に鍵を新しいものに交換するのです。

つまり鍵の交換は、あなたのプライバシーと安全を守るための、非常に重要なステップと言えます。

鍵交換を行うタイミング:入居時と退去時の違い

多くの物件では「入居前」に鍵交換が行われます。入居日までに新しいシリンダー・鍵が設置され、入居者は新品の鍵を受け取ります。それによって前住者の合鍵リスクを排除でき、入居者は安心して生活を始められます。

ただし、次のような場合は退去時に鍵の交換が行われる場合があります。

  • 契約書による交換:契約書に「退去時に貸主指定の業者で鍵交換を行い、その費用は借主負担」と明記されている物件の場合は、入居前ではなく、退去時に交換となります。
  • 借主が鍵を紛失したり、勝手に鍵を交換した場合:この場合は防犯上のリスクから、入居前に鍵の交換をしていても、退去時に改めて鍵の交換費用を請求される場合があります。次の入居者がすぐに決まらない場合のための、防犯上の対策となります。

2.鍵交換費用の相場と種類別の違い

鍵交換費用の見積もり書

では、鍵交換にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?

契約書に記されている金額が妥当かどうか判断するためにも、相場を知っておきましょう。

鍵交換費用の内訳と計算方法

鍵交換費用は、一般的に「鍵本体の価格」と「業者の交換作業工賃」の合計となります。

鍵本体の価格は、種類によって大きく異なります。

鍵の種類別の費用目安(ギザ鍵、ディンプルキー、カードキー/スマートロック)

鍵の種類特徴想定費用補足
ギザ鍵
(一般的な鍵)
鍵の両側がギザギザしている、最もシンプルで一般的なタイプ。古いアパートやマンションで使用されることが多い。15,000円~20,000円程度費用は安いが、ピッキングに弱く、防犯性は低め。
ディンプルキー鍵の表面に大きさや深さの異なる複数のくぼみ(dimple)がある複雑な構造。20,000円~40,000円程度構造が複雑でピッキングが困難、防犯性が高い。新しい物件では主流。費用は少し高いが安全性重視におすすめ。
カードキー/
スマートロック
物理的な鍵ではなく、専用のカードやスマートフォンで解錠するタイプ。25,000円~(物件による)鍵のコピーの心配がなく、紛失時もカードや情報を無効化できるためセキュリティが高い。交換費用はシステムにより高額になる場合あり。

3.鍵交換費用は誰が払う?入居者と大家の負担の違い

はてなマークを浮かべる女性

決して安くはない、鍵交換費用。支払うのは誰でしょうか?

入居者が負担するケースが多い理由

最初にも述べましたが、鍵交換費用は入居者が支払うことがほとんど。つまり、あなたの支払いとなります。

でもどうして、入居者が支払わないといけないの?

その疑問はもっともです。

というのも、国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、鍵の交換は(前の入居者が鍵を紛失した場合などを除き)「大家さん(賃貸人)の負担とすることが妥当」とされています。これは、入居者が入れ替わる際の物件管理の一環と考えられるためです。

しかし実際には、日本の賃貸住宅ではほとんどの場合、鍵交換費用は入居者の負担となっています。

どうしてか?

それは鍵の交換費用に関しては法律上の決まりはなく、あくまでも契約上の問題だからです。

大家さんは「部屋を貸す」義務はありますが、「鍵を新しくする」義務はない。そのため、新しい鍵への交換は、次の入居者への「オプションサービス」のような位置づけとなり、その費用はサービスを受ける側が支払う、という考え方が主流になっているのです。

契約書(重要事項説明書)の「特約」を必ずチェックしよう

鍵交換はあくまでも契約上の取り決めですから、契約書の中身が全てです。

そのため、鍵交換に関しても契約書の「特約」の項目をしっかりチェックしてください。

そこに鍵交換の有無と、費用負担者が誰かが記されています。

契約書にサインするということは、その内容にも合意したことになります。

鍵交換費用を安くすることは可能?

では、鍵交換費用をなくしたり、安くしたりすることは可能でしょうか?

基本的には難しいと考えてください。ただし、以下の場合では交渉の余地があるかもしれません。

  • 交渉するなら契約前のタイミングで:先に述べたように、契約書にサインすると、鍵交換費用に関しても同意したことになります。不明な点や不審な点があるならば、必ず契約書にサインする前に大家さんまたは管理会社と交渉してください。もし相場と比べてあまりにも鍵交換費用が高いなら、交渉の余地はあるでしょう。
  • 自分で業者を探して交換するのはOK?:自分で安い業者を探して交換したいと思うかもしれません。しかしそれが許されるかは、大家さん(管理会社)の判断によります。勝手に交換せず、必ず事前に相談してください。鍵も大家さんの所有物の一部になるため、勝手に交換することは許されていません。
  • 交渉が難しいケースもある:人気物件では他の入居希望者も多いため、交渉が難しいことが多いです。逆に、立地が悪かったり、空き室が多い不人気の物件の場合には、交渉できる可能性があります。

4.鍵交換費用のトラブル事例と外国人が注意すべきポイント

鉛筆で描かれた電球のイラスト

鍵交換に関するトラブルを事前に避けるために、よくある事例と対処法についても事前に知っておいてください。

相場より明らかに高額な費用を請求された

ディンプルキーでもないのに、5万円などの高額な費用を請求されるケースです。

まずは費用の内訳(鍵代と作業費)を確認し、一般的な相場とかけ離れている場合は、その根拠を不動産会社に尋ねましょう。

入居時に実際には交換されていなかった

費用を支払ったにもかかわらず、実際には鍵が交換されていなかったという悪質なケースです。

入居時に、鍵が新品かどうか(傷がないか、包装されているかなど)を確認し、少しでもおかしいと感じたら、すぐに不動産会社に連絡して交換作業の領収書や完了報告書の提示を求めてください。

退去時に再度請求された

鍵交換費用は、基本的には入居時に一度だけ支払うものです。

ただし契約書の特約に「退去時に鍵交換を行い、その費用は借主負担」と明記されている場合は、退去時にも発生することがあります。

もし契約書にそのような記載がなく請求された場合は、入居時に支払った際の契約書や領収書を提示し、不当な請求であることを説明しましょう。

困ったときの相談先(不動産会社・住まいダイヤル・自治体窓口)

鍵交換に関するトラブルが生じた時には、次の相談先に連絡してください。

  • 物件を紹介してくれた不動産会社:トラブルの多くは、コミュニケーション不足や誤解から生じます。まずは仲介してくれた不動産会社に連絡し、状況を正確に伝えて相談しましょう。その場合に、例えばMooovinのような外国人専用の不動産会社を利用していると、困ったときにも相談しやすいでしょう。
  • 国土交通省の「住まいダイヤル」:国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口です。残念ながら英語ではありませんが、「やさしい日本語」ページがあります。

自治体の外国人相談窓口:東京都消費生活総合センターのように、多言語の窓口を設置している自治体もあります。ただしその自治体に住んでいるまたは通勤している人が対象なので、地元にそうした窓口がないか確認してください。

執筆
Mooovin編集部
執筆
Mooovin編集部
「Mooovin(ムービン)」は、日本で暮らしたい、働きたい、学びたい外国人に向けて、賃貸・購入・暮らし・移住・お金など、日本生活に役立つ“本当に知りたい情報”をわかりやすくお届けする不動産ガイドメディアです。