外国人が知っておきたい不動産広告の見方とチェックポイント

公開: 2026/03/13

日本で住まいを探している時によく目にするのが、不動産広告です。

でも外国人にとって、日本の不動産広告は専門用語などもあって少し分かりにくい。

そこで当記事では、日本の賃貸住宅を探している外国人向けに、不動産広告の見方とチェックポイントを分かりやすく解説します。

ぜひ、参考になさってください。

1.日本の不動産広告とは

不動産広告とは、賃貸住宅の写真や間取りなどの情報を一つにまとめた広告です。賃貸住宅を契約したい人向けに、必要な情報が収められています。

不動産広告にはその表示方法について、細かなルールが定められています。

過大広告はできない仕組みになっているため、日本で自分に合った住まいを見つけるためには不動産広告を上手に利用することが大切です。

2.不動産広告の数字や用語の意味

日本の不動産広告には、海外の不動産情報にはあまり見かけない用語や表現が用いられています。

ここでは、その代表的なものについて説明します。

部屋の間取り

海外では「スタジオタイプ」、「◯ベッドルーム」といった間取りが一般的ですが、日本では独特の間取りの表現方法が用いられています。

以下が、日本で用いられている間取りと、その内容です。

 

間取り内容居住人数の目安

1R

(ワンルーム)

海外でいうスタジオタイプ。キッチンと居室が一体となった間取り。1人
1K居室+キッチンという間取り。Kとはキッチンのこと。1人
1DK居室+ダイニング・キッチンという間取り。DKはダイニングキッチンのこと。1人〜2人
1LDK居室+リビング・ダイニング・キッチン(LDK)という間取り。LDKとは、リビングルームとダイニングキッチンを兼ねた部屋のこと。海外の1ベッドルームに近い。1人〜2人
2Kキッチン+2部屋という間取り。ダイニングキッチンはない。1人〜2人
2DKダイニング・キッチン+2部屋という間取り。2人〜3人
2LDKリビング・ダイニング・キッチン+2部屋という間取り。海外の2ベッドルームに近い。以下、部屋の数が増えるごとに数字の数が増えていく。2人〜3人


不動産広告で賃貸住宅の間取りを目にするときには、その意味を理解して自分の生活をイメージしてみましょう。

部屋の広さ

最近は日本でも部屋の広さを示すために「㎡」の単位が用いられるようになってきましたが、依然として日本独自の「◯畳」という単位を用いている不動産広告も存在します。

「◯畳」とは、畳何枚分の広さかを示す単位です。

不動産広告においては、1畳は「1.62㎡」とされています。そのため、不動産広告でよく目にする「畳」を用いた部屋の広さは、以下のようになります。

  • 4畳半(4.5畳)=約7.29㎡。少し狭めの部屋
  • 6畳=約9.72㎡。日本では一般的な部屋の広さ
  • 8畳=約12.96㎡。ゆったりとした部屋の広さ
  • 10畳=約16.20㎡。家族用のリビング程度の広さ

日本語の表現

日本の不動産広告には、独特な日本語の表現・説明が用いられることも良くあります。

その中でも外国人にとって特に馴染みのない表現と、気をつけたい点についてまとめました。

 

日本語表現直訳的な意味実際の意味・補足
陽当り良好Good sunlight日当たりが良いが、時間帯や季節によって異なる。客観的基準はない。
閑静な住宅街Quiet neighborhood静かな住宅地だが、どの程度静かかは不明確。
駅近Near the station駅に近いが、具体的な距離や時間が不明なことも。
住環境良好Good living environment周辺環境が良いという曖昧な表現で、詳細は書かれていない。
眺望良好Nice view景色が良いという意味だが、どんな景色かは不明。
リフォーム済Renovated改装されているが、どこを・いつ・どの程度かは広告次第。
コンパクトCompact狭いことをやんわりと表現している可能性がある。
アットホームHomey/Cozy居心地がよいという主観的表現。具体性に欠ける。
採光良好Good lighting自然光が入るが、時間帯や方角により異なる。
生活至便Very convenient商業施設などが近いが、何が近いかは書かれていない。

 

日本語独特の曖昧な言い回しは、外国人にとって分かりにくいものです。また、それが実際に住む人にとって利点となるかは別の話。

例えば、「閑静な住宅街」は静かな環境を望んでいる人にとっては確かにいいでしょうが、逆に騒いだり大きな声を上げるとすぐにクレームになる可能性が高いという意味でもあります。

そのためこうした表現は参考程度にとどめて、実際に自分の目で物件を確認することが大切です。

3.不動産広告の見方とチェックポイント

では実際に不動産広告に載せられている情報を参照しながら、気をつけたいポイントを見ていきましょう。

 

【日本の不動産広告に載せられている一般的な情報一覧】

No.項目内容
所在地物件の住所
交通◯◯駅から◯何分など
専有面積◯◯㎡、または〇〇坪
間取り◯LDKなど
構造鉄筋コンクリート造など
規模◯◯戸(全◯◯戸)
階数◯階(◯◯階建)
竣工(または築年数)◯◯年◯月または築◯年
賃料◯万円
管理費・共益費〇〇円または無し
敷金◯ヶ月
礼金◯ヶ月
契約期間◯年
更新料◯ヶ月
入居期間「即日入居可」もしくは「◯月~」
設備エアコン、キッチン、オートロック等
備考その他の情報
方位記号で表示されていることが多い

 

①所在地・交通

物件の住所と最寄り駅からの距離が示されています。

日本の不動産広告では、「徒歩1分=80m」で計算されています。一般的には駅から徒歩15分(約1.2km)圏内が良いとされていますが、これも自分のライフスタイルに合わせて検討してください。

②面積と間取りなど

専有面積と間取りは、不動産広告で紹介されている部屋について述べており、構造と規模はアパートやマンション自体の規模や造りを示しています。

③竣工年数(または築年数)

その建物がいつ建てられたか、また建てられてから何年経過しているかを示しています。

日本の賃貸物件において、築年数は非常に大切なポイントです。築年数が経つほど、一般的に建物や部屋の設備も古くなるからです。そのため、築年数が新しいほど、家賃も高くなる傾向があります。

逆に築年数が古ければ家賃も安くなることが多いので、あえて古い物件を探すというのも一つの方法です。

④賃料・管理費・共益費

1ヶ月分の家賃が示されています。日本語で「1万円」は、10,000円のことなので、例えば「4.5万円」とあれば、それは45,000円のことです。英語と単位が異なるので気をつけましょう。

管理費(Management Fee)とは、建物全体の管理や運営にあてられるお金のことです。例えば清掃スタッフの給料やエレベーターの点検費用などに用いられます。

共益費(Common Area Maintenance Fee)は、住民全員が使う共有スペースの維持・管理のために用いられます。

1ヶ月の支払い総額は「家賃+管理費+共益費」となりますので、管理費と共益費がどれくらい必要かもしっかりチェックしましょう。

⑤敷金・礼金

外国人にとって理解に苦しむのが、敷金と礼金です。

敷金は海外でもDepositとして知られています。退去時に部屋に極端な汚れや損傷がなければ、預けた敷金は返金されます。

しかし礼金は部屋を借りる「感謝の気持ち」として大家に払うお金です。日本独特のビジネスルールで、退去時にも返金されません。

敷金と礼金は通常、家賃の◯ヶ月分(相場は1ヶ月~2ヶ月)として表示されます。

最近は礼金を必要としない物件も増えてきましたが、入居時の初期費用として大きな割合を占めることになるため、これも忘れずに確認しましょう。

 

敷金・礼金についてさらに詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

日本の敷金・礼金とは?賃貸契約を成功させるための完全ガイド

⑥契約期間・更新費用・入居期間

日本の賃貸住宅の契約期間は、通常2年間です。その期間を迎えて継続してその部屋に住みたい場合は契約更新が必要です。その時の費用が、更新費用です。更新費用も家賃の◯ヶ月分として表示されるのが一般的です(相場は1ヶ月分)。

入居期間に「即日入居可」とある場合は、契約後すぐに入居できます。そうでない場合は、入居できる日付が示されます。

⑦設備

その部屋に備わっている、キッチンやエアコン、インターネット、オートロックなどの設備が一覧で示されます。

日本の賃貸住宅は基本的に家具・家電は備わっていません。そのため家具・家電が備わっている物件に関しては、この設備欄で説明されることが多いです。

⑧備考

その他の情報が記載されています。例えば駐車場の有無や、共用部禁煙など。

⑨方位

日本人は南向きの物件を好むため、その部屋がどの方角に向いているかを、主に記号で表示しています。

日本の建物は欧米では一般的な、パッシブデザイン(夏の日射遮蔽と冬の日射取得を最大化するという建物のデザイン)の概念がまだあまりありません。

そのため、特に窓がどの方角を向いているかを確認しましょう。

4.おとり物件(bait-and-switch)の見分け方

ここまで紹介してきたように、日本の不動産広告の見方が分かれば、部屋探しはとても楽になります。

しかし不動産広告にはトラップのような情報もあります。それが、おとり広告(bait-and-switch)です。

 

おとり広告とは、実際には契約できないにも関わらず、条件の良い部屋を一番目立つ場所に表示することによって、お客さんを呼び込む広告のことです。

 

客はその部屋目当てで業者を訪ねますが、「その部屋はもう契約されてしまいました」と言われ、別の部屋を紹介される、というのがおとり広告の基本的なパターンです。

外国人がおとり広告に騙されないようにするには、次の方法が効果的です。

  1. 同じ広告がずっと掲載されていないかをチェックする。
  2. 電話やメールなどで実際にその部屋が契約可能か、始めに確認する。
  3. その不動産会社の評判をネットやソーシャルメディアでチェックする。
  4. 一社ではなく、複数の不動産業者の広告をチェックする。

 

おとり広告は法律違反で、不動産広告のルールにも反しています。おとり広告に騙されないように、注意しましょう。

5.外国人が特に気をつけるべきポイント

不動産広告を見て気になる部屋が見つかった時に、気をつけるポイントについても解説します。

内見時のチェックポイント

気になる部屋が見つかったら不動産会社に連絡して、部屋を実際に見せてもらいます。これを「内見」と言います。

部屋の内見時に、外国人が特に気をつけてほしいポイントをまとめました。

  • 浴室に換気扇はあるか?:日本の梅雨時期には湿度が高く、浴室などはカビやすくなります。換気扇があるかどうかを確認しましょう。
  • 宅配ボックスはあるか?:日本のネット通販は非常に便利で、外国人でも利用しやすいです。不在時でも荷物を安心して受け取れるため、宅配ボックスがあるととても助かります。
  • 周囲の環境はどうか?:近くにコンビニやスーパーがあるかといった点については、不動産広告では分かりません。部屋だけではなく、周囲の環境も必ずチェックしましょう。
  • 駐輪場の数は十分か(屋根の有無):自転車を利用するなら、駐輪場の状況についても確認しましょう。

保証人

日本の賃貸住宅を契約する際に、外国人にとって大きな障害となるのが保証人です。

保証人とは、借り主が家賃を払えなかった時に代わりに支払の責任を負う人のことです。一般的に、保証人は日本国内に住む借り主の親族でなければなりません。

保証人を見つけることが難しい場合は、保証会社を利用することができます。その点についても不動産広告で確認なさってください。

 

保証人についてさらに詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

保証人がいなくても大丈夫?外国人向け日本の賃貸物件保証完全ガイド

ルームシェア

海外ではルームシェアは普通ですが、日本では無許可のルームシェアは(たとえ家族や恋人であっても)契約違反となります。

一つの部屋に複数人が住む場合は、必ず事前に申告しなければなりません。

無許可のルームシェアは、強制退去のリスクにもなります。気を付けてください。

執筆
Mooovin編集部
執筆
Mooovin編集部
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