日本の敷金・礼金とは?賃貸契約を成功させるための完全ガイド
日本で賃貸契約を結ぶときに、多くの外国人が驚くのが「敷金」や「礼金」の存在でしょう。
特に礼金は日本独特の制度であり、入居時の初期費用が高額になる原因ともなっています。
そこで本記事では、敷金と礼金の違いや相場、その支払いを避ける方法について詳しく解説します。
日本で賃貸契約を成功させるために、ぜひ参考になさってください。
1.敷金と礼金の違い
まずは、敷金と礼金の違いについて理解しておきましょう。
- 敷金(Deposit):貸主に預ける保証金のこと。
- 礼金(Key money):貸主に対するお礼として支払う。
敷金は海外でも一般的な保証金(Deposit)としての役割を持ちます。賃貸契約時に貸主に一定の金額を預け、家賃の滞納分や、部屋に破損があった場合の補修費などに充てられます。
海外では賃貸契約の多くが1年契約となっており、1年未満で退去するとペナルティとしてデポジットが没収されることもあります。しかし日本では通常2年契約となっており、期間内の退去に関するペナルティは契約内容によって異なります。
礼金は日本独特の商習慣で、貸主に対するお礼として支払うものです。最近は減少傾向にあるとはいえ、まだまだ一般的に求められることが多いです。
敷金・礼金の相場
敷金と礼金の相場は、地域によって異なります。
【都市部(東京・大阪・名古屋など)】
- 敷金:家賃の1~2ヶ月分
- 礼金:家賃の1~2ヶ月分
【地方】
- 敷金:家賃の1~2ヶ月分
- 礼金:家賃の0~1ヶ月分
一般的に、都市部よりも地方の方が敷金・礼金ともに安い傾向があります。ただし敷金・礼金は立地や物件の人気の程度によっても変わってくることを覚えておいてください。
敷金・礼金は返金される?
敷金は保証金としての意味を持つため、何も問題がなければ退去時に返金されます。
ただし、次のような場合には返金されません。
- 家賃の滞納があった場合
- 原状回復が必要な場合
原状回復とは、退去時に借主が「部屋を借りたときの状態にできるだけ戻す」というルールのことです。どこまで元の状態に戻すべきか、という点についてはトラブルも多いため、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を策定しています。
これによると、借主の過失や故意のダメージは原状回復しなければなりませんが、通常の使用による汚れや劣化は借主の負担とはなりません。
| 通常の使用による汚れや劣化の例 | ・家具を置いたことによる床やカーペットのへこみ ・壁紙の日焼けや経年劣化 ・通常使用によるフローリングの摩耗 | 原状回復の必要なし |
| 借主の過失や故意のダメージの例 | ・壁に開けた釘やネジの穴 ・タバコのヤニや臭いによる変色 ・ペットによる傷や汚れ ・水漏れを放置したことによるカビや腐食 | 原状回復の必要あり |
退去時のクリーニングについては、基本的には貸主の負担となります。しかし借主が日常的な掃除を怠っていた場合は、敷金からクリーニング費用が差し引かれることもあります。
礼金は貸主へのお礼として支払われるため、退去時に返金されることはありません。
2.敷金・礼金の支払いを避ける方法
敷金・礼金を合わせると家賃の数ヶ月分にもなりますから、できるならその負担を避けたいと思うでしょう。
ここでは、敷金・礼金の支払いを避ける方法について説明します。
敷金・礼金0円の物件を探す
Mooovinでも、「敷金・礼金なし」の物件を簡単に探すことができます。
物件一覧ページにて、「礼金・敷金なし」にチェックを入れて探してみてください。
また不動産屋さんを訪れるときにも、「敷金と礼金がかからない部屋を紹介してください」とリクエストすれば、それに応じた物件を紹介してもらえるでしょう。
敷金・礼金0円の物件の注意点
敷金・礼金0円の物件を、日本では「ゼロゼロ物件」と呼びます。
人口減少による空き家の増加から、近年ゼロゼロ物件が増えてきています。そうした物件を上手に見つければ、初期費用を抑えられるでしょう。
しかし中には建物が古い、立地が悪いといった理由で入居者が集まらず、敷金・礼金を無料にしている物件もあります。
また敷金・礼金が0円でも、家賃が相場よりも割高になっているケースも見受けられます。
さらに、ゼロゼロ物件をうたい文句にしながら、実際には「仲介手数料」や「保証金」、「鍵交換費用」などの名目で敷金・礼金に相当する費用を求められることもあります。
また、本来は貸主負担である退去時のクリーニング費用を、敷金0円の代わりに請求されるケースも少なくありません。
そのため、敷金・礼金0円というだけで安心せずに、部屋の状態や契約内容をしっかりと確認することが大切です。
マンスリーマンションやシェアハウスという選択肢
もし日本の滞在が短期の場合、マンスリーマンションやシェアハウスを利用するという方法もあります。
マンスリーマンションやシェアハウスは敷金・礼金が0円なだけではなく、基本的な家具や家電が揃っていることも多いため、短期の滞在にも適しています。
3.外国人が賃貸契約をスムーズに進めるためのポイント
日本に限らず、外国人が部屋を借りるときにはそれなりの準備や気をつけるべき点があります。
ここでは、外国人が日本で賃貸契約をスムーズに進めるためのポイントを解説します。
信頼できる不動産会社を見つける
敷金・礼金に限らず、日本の不動産契約には独特のルールや決まり事があります。そのため、しっかりとコミュニケーションが取れて信頼できる不動産業者を見つけることが大切です。
英語が話せるスタッフがいるとは限らないため、外国人向けのサポートがある不動産会社や、外国語に対応している不動産紹介サイトなどを利用しましょう。
またフェイスブックなどのSNSの口コミをチェックすることも、信頼できる不動産会社を見つける助けになります。
必要な書類と準備すべきこと
不動産の賃貸契約時には、次の書類を用意してください。
- 身分証明書(パスポートや在留カードのコピー)
- 連帯保証人の印鑑証明書及び捺印、もしくは連帯保証会社との契約
- 契約者の住民票
- 契約者の印鑑
この中で特に大切なのが、連帯保証人です。
連帯保証人とは、借主が家賃を滞納したり物件に損害を与えたときなどに、借主の代わりに支払いの責任を追う人のことです。
日本の賃貸契約時には、連帯保証人が必要となるケースがほとんどです。しかし保証人になってくれる親族などがいない外国人の場合は、保証人の役割を代行する連帯保証会社を利用することが一般的です。
外国人向けのサービスを提供している連帯保証会社を利用するなら、その手続きもスムーズに進むでしょう。
トラブルを避けるための注意点
入居時、退去時のトラブルを避けるために、以下の内容について契約書をしっかり確認してください。
- 敷金・礼金の有無と金額
- その他の初期費用の有無と金額
- 退去時のクリーニング費用の有無
- 退去時の原状回復ルール
- 敷金の返還条件
- 短期解約違約金の有無
契約書は基本的に日本語なので、不明な点は担当者に聞いておきましょう。
4.まとめ:日本での賃貸契約を成功させるために
日本には敷金・礼金をはじめとして賃貸契約に関する独自のルールがあります。特に礼金は返金されない費用であり、その負担は決して小さくありません。
初期費用を抑えるために、敷金・礼金0円の物件を探すことも可能です。
ただしその場合には家賃が相場より高く設定されていないか、入居時や退去時に追加費用が発生しないかを必ず確認してください。
外国人がスムーズに賃貸契約を進めるためには、きちんとコミュニケーションが取れる、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。
日本の賃貸契約に関するルールを理解し、契約内容をしっかり確認するなら、快適な住まいを見つけられるでしょう。